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2018年9月 1日
OLYMPUS E-M1 12-40/2.8PRO
天候に翻弄されて、今年はなかなか釣りに行けない。
彼方の渓に思いを馳せるばかりだ。
なぜだか分からないが記憶の中の渓は、陽光に透かされた新緑が時に長い旅から我が家に帰ったような暖かい気持ちを灯す事もあれば、夕まずめの薄いピンク色の空が人間世界から置き去りにされてしまったような寂寥感を醸し出す事もある。
少しでも長く渓を歩けるように少しずつ体力を整えて、誰にも教えたくないほど釣れる自分スペシャルのミノーをケースに忍ばせてはいるが、僕が釣りに行く目的が、果たして思い通りに渓魚とコンタクトを果たしたときのあの喜びの為だけなのかは今もって分からない。
何かの現実から逃れるためか、あるいは何か現実以外のものを求めるためなのか。
ただ分かるのは、渓から戻った僕は昨日までの僕とは少し違うということだ。
気づかないような小さな変化の時もあれば、まるで違う人間のようにリセットされることさえある。
そう考えれば釣りの目的とは、新しい自分に会いに行く小さな旅行のように思えるから面白い。
さぁ、会いに行こう、まだ見ぬ自分に。