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2013年8月15日
ワイルドフィッシュ高松店、竿菊釣具店なきあと、長らく地元には不義理をしたままで、いつかはなんとかせないかんなと思いつつも生産量の絶対数が圧倒的に足りず、お付き合い頂いているショップさんへの納品分さえなかなか確保できない状態では、このサイトのネットショップはおろか、新規に取扱店を増やすことなど考えることが出来なかったというのが、近畿、中国、四国地区で販売店が無い状況を解消できない要因です。
おかげさまで引き合いは増える一方ではあるのだけど、野良仕事ありーの、自治会長(4年目、春に再選されたのでもう1年半任期あり)のあれやこれやがありで、生産量は伸びるどころか減少傾向だ。
そんな状況と、息子のテニスショップ開業が重なったのは、なにか一つのきっかけだと思ったんだな(笑)
テニス好きにも釣り好きはいるし、釣りにしか興味がなくてもショップに足を運んでくれる人が増えるとなんだか嬉しいし。
あるテニスコーチに「どう?」って聞いたところ「ぜひやりましょう!」というお返事(笑)
ここに、世界初(たぶんね)「ハンドメイドルアーも売ってるテニスショップ」が誕生したわけであります!
商売とは差別化である、ってのは定石であるわけですけど、こんな差別化はちょっとないでしょう?(笑)
近畿、中四国で唯一、レイチューンの現物を手にとってお買い求め頂けます。
既存の取扱店さんへ納品した後の余り物ばかりなので、数はほんのちょっとしかないんですけどね。
でも時々、この世に1本しかないというようなレアものもあるってところがオフィシャルファクトリーショップの強みですな。
それからショーケースの中にはレイチューン商品以外にも、僕のお恥ずかしい過去作品の数々、そしてホットショットの現物20本ほども展示中です。
興味のある方は是非寄ってやって下さい。
しかし、店長は釣りには疎いので(すいません)あまり突っ込んだ質問は無しということで...
まぁ、気軽に電話で聞いてくれればすぐにお応えできますし、僕も定期的に顔を出すことも検討中。
ではでは、そんなことでよろしくお願いします。
2013年6月28日
いやいやほんまに、我が愚息ながら、よーこんなもん作るわ!(笑)
先日のミニチュアラケットの続編です。
ところで僕はかねてより、ある仮説を立てているのだ。
それは、「親指が短くてかわいい感じの人は器用」なのではないかという経験に基づく疑問だ。
高校時代、津村という級友がいて、彼は頭は良いけどちょっと世の中に対して斜めに構えているような、物事に真剣に取り組むのを見られるのを格好悪いと思っている奴だが、そのギャップがかわいげに見えるようなところがあってクラスメイトから好かれていた。
いつもダラダラしているように見える彼だが、ある時、担任にレジメを封筒に入れる作業を仰せつかった時のことだ。
次々と4つ折りにして封筒に入れる手際の良さに僕は舌を巻いた。
4角をきちんと合わせ、サッと折り目を付け、左手に封筒を持ち、右手に折ったレジメを持ったまま封筒の口を開き、ポイッと放り込む。
一連の動作の時計仕掛けの様な正確さと早さは、あたかもそれを職業にしているかのようでさえあった。
津村の親指がやはり、息子のようにデフォルメしたような短くてかわいい指先だったから、息子の作業を見ていると、僕は津村を思い出してしまうのだ。
うちのばあちゃんがやはりこんな親指をしているし、時々気にかかる手際の良さを発揮している人がたまたまこのタイプの指を持っていたりして、僕はこの仮説を思いつくに至ったのだ。
基本的な丁寧で根気強い性格がまずもって必要なのは言うまでもないが、その性格を持ってしても、ここまでの作業をこなせる人間はそうはいないと思われる。
それを可能たらしめているのが、短い親指ではないのか?と...
僕の指は残念ながら普通だ(笑)
2013年6月21日
世の中には器用な人といわれる人物がいる。
僕は器用貧乏を公言してはばからないが、それは、なんでもそこそこソツなくこなすが、それでもって認められるなんて事はほとんど無い自分の不器用な生き方を自嘲気味に言っているのであって、決して本当の意味で「器用」などとは思っていない。
たまたまルアーメイキングに関しては、松本師匠に巡り会えたことや、一時期身体を壊して他にやることが無くてルアーばかり作っていられたこと(甲斐性のある嫁ちゃんのおかげです)、そこに3歳からたしなんでいた釣りのスキルや元来の美術好きが偶然うまく重なって、なんとかいっぱしの職人になれたのだと思っている。
「0.13mmくらいのナイロン糸ないん?」と息子が仕事場に聞きに来るので「ガットに使うんか?」と聞き返すと、そうだという。
はじき出した数値によると0.13mmらしい(笑)
ちょうど3~4LBの太さに相当するからいっぱい持ってるので太さ違いで2巻ほどくれてやる。
写真のテニスラケットのミニチュアは、最初は自分用に作って携帯ストラップにしていたところ、けっこう欲しいとの反響があり、今シコシコ作っているそうな。
フレームの素材は僕がミノーのリップに使っているFRPからニッパーで切り出し、ヤスリで研磨し、なんと3層構造になっていて、ストリングス(ガット)はゴーセンにあらずバリバス(笑)
(テニス用ガットの老舗は釣り糸でも有名なゴーセン)
ラケットの形状は、YONEX、Wilson、Babolar、prince、HEADと、メーカーごとに幾つかの仕様があり、ガットの糸どうしの間隔もメーカーによってセンターが密で周辺が粗くなるというような小細工までしてあり、なにより本物と同じ張り方でガットを張ってあるのだ。
サンドイッチされた真ん中のコアに縦横から手回しの精密ビット(ドリル)で穴を空け、(ガット保護のグロメットこそ無いが...)実物と同じ手順で張り上げて行く。
はっきり言って僕には到底まねの出来ない芸当だ(笑)
いやマジで、僕は自分の手先が器用だなんて思ったことは一度もないが、松本師匠とうちの長男坊だけは、心底器用だなーと感心する。
本人に言わせると丁寧なだけだと言うが、たまにルアーの目玉とかを作ってもらうと、僕がやると並びがまちまちになるし、2.5mmの中に1.5mmの瞳を二重貼りするとたいてい微妙にずれる(ずれを利用して生命感を出したりもできるけど)が、彼がやるとビシッとセンターに来て、シートの上にマシーンでポッティングしたように整然と並ぶ様子は圧巻だ。
だけど、彼は釣りには興味がないのだ(汗)
テニスがとっても好きらしい(笑)
手仕事をすれば、どんな分野でも良い職人になると思うけどなー。
ともあれ、ラケットストラップの完成まで、いましばらく見守ってやって下さい。
(フェイスブックには経過を掲載中、ショップのブログにも載せるよう言っときます)
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