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2014年6月18日
20年以上もハンドメイドルアーを作っていると、設計や仕上げにそこそこ自信めいたものが生まれる。
そして、何百アイテム、何万本とミノーを作るうち、ハンドメイドではどうしても踏み込めない領域があることにも、否応なく気付かされる。
また、自分が愛してやまないレイチューンスタイルのミノーイングの面白さを、特定のマニアだけのものにせず広く知ってもらうにはどうすべきかという長年のジレンマも抱えている。
この両者を解決すべく、我ながら画期的な(笑)バルサコアシステムのフェイズ、ヴォーグシリーズを発案しリリースしてきたわけだ。
仕上げと性能の水準を上げるのに一定の役割を果たせたとは思うが、趨勢を左右するにはあまりにもボリュームが不足している。
だから、レイチューンスタイルのミノーイングの可能性を多くの人と共有する為に、レイチューンの名にふさわしい更に安価なプロダクトを模索することは、僕にとってはいわば当然の選択でもあるのだ。
一本一本鱗目を刻む、さもなくばヤスリや自作のテンプレートにアルミホイルを押しつける方法に依存せざるを得ない鱗の表現方法。
また、構造線との干渉を避けてウエイトやリップ取付位置を決定しなければならなかったり、同様の理由で低重心化にも限界がある。
プラスチックに素材としてのポテンシャルの限界があるように、バルサハンドメイドミノーには技術的、構造的な限界があるし、個体差もある。
そうそう、リップの問題も大きい。
量産に適した素材は強度が不安なポリカーボネート薄板か、削れてしまうFRP薄板だ。
これらが、ハンドメイドビルダー達が等しく抱える悩みだ。
ならば、データ上で望む鱗を作り(金型製作の機械的限界がないわけではないが)、狙った仕上がり重量に最適化したボディーを設計し、最適位置に効率の良いリップを取り付ければ、バルサミノーに匹敵する性能を出せるのではないか?
納得がゆかないなら出さない覚悟で進めたプロジェクトが、こうして日の目を見る日が来るとは僕自身も半信半疑だった。
ハンドメイドでは出来なかったディテールを込め、他を圧する機能を身に付けて発売されるインジェクションミノーの性能を、ひとりでも多くの渓流ミノーイングファンに知ってもらいたい。
そしてレイチューンの名が伊達ではないことを実感して頂けるだろう。
まずは近年最もポピュラーになっているヘビーシンキングミノーと、最も先進的なリップレスミノーからリリース。
その実力を、あなた自身でお確かめいただきたい。