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2013年6月16日
関西風の蒲焼きは、裂いて蒸さずに白焼きにし、最後にタレを塗ってもう一度焼く。
皮はパリパリと香ばしく、しっかりとした歯ごたえが残ってこたえられない旨さだ。
溜め池だらけの土地に生まれたせいもあって、子供の頃から遊びといえば魚獲り。
なかでも鰻釣りは夏のメインイベントだった。
池沿いの水田の畦にはいつも伝馬船が係留してあって、夕方になると爺さんと50本ほどの針にミミズを刺した延縄を2流しほど仕掛けに行くのだ。
あるいは、裏の竹藪から切ってきた竿に大工の水糸を結わえ、うなぎ針を直結してミミズを刺して畦に竿を突き立てて置く。
延縄だと、良い日には20本。竿でも2日に一匹は掛かっていたものだ。
錐でまな板に目打ちをし、頭付きのまま腹開きにして七輪で焼く。
僕は大人になるまでこれ以外のうなぎを食ったことがなかった。
あるときスーパーで大振りで旨そうなうなぎが1,500円くらいで売られていて、釣ったうなぎ以外の奴を初めて食うことになるのだが、これには参った。
ひと口頬ばってすぐに吐き出した。
「なんじゃこれは!」
それ以来うなぎは買わないことにしている、うなぎ大川以外では...。
この店は、実は親戚が経営に絡んでいて、うなぎの稚魚採取の鑑札を持っている親戚のおじさんが獲ってきたシラス鰻を、店舗の裏に併設の養鰻池で数年間掛けて天然と同じような条件下で飼育して、丁度良い大きさに育った奴を捌いて焼いて売っているのだ。
だからここの鰻に関しては、僕が子供の頃から食べてきた鰻そのものの味で、毎年夏の短い営業期間を楽しみにしているのだ。
自分でシラスを獲ってくるので仕入れ価格の高騰とかはあまり関係なく、おじさん自身が馴染んだ味を残したくてやっているような商売だから、宣伝する必要もないのだけど、「昔の鰻の味をもう一度...」と思っている人は是非試されると良いと思う。
あー、旨かった(笑)