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2014年2月14日
まず最初はラフスケッチからだ。
ここでは全体のフォルムと共に、ラインアイとフックアイのディメンションを確認する。
水平線に対してそれぞれのアイがどのくらいオフセットする仕様を選ぶかを決定する。
この3タイプは全長もマスもほぼ同じだが、動きはそれぞれに決定的と言えるほど異なる。
縦アイには縦アイの、横アイにはそれに適した設計があるのであって、縦アイ用に設計されたボディーのラインアイを横にしたって、それはもうミノーとして成立しない。
アイの位置や方向、直径はそれほど重要であって、ルックスの問題などでは決してないのだ。
また泳ぎには、ボディー全体の2Dフォルムのみならず、太さやテーパー、断面形状が大きく絡み、そこにウエイト配置という厄介な条件が加わるから、経験が浅いと何処を修正した結果として変化が現れたのかすら分からなくなる。
他の条件を同一にして、変化させたい部分のみを修正してテストしなければ意味が無いから、ボディーを設計するスキルを身に付けるまでには膨大な試作に耐える根気強さと注意深い観察力が不可欠だ。
ひとつやふたつ上手く行ったとして、なぜ好結果が出たのか?が論理的に理解できないと次作に結びつかない。
僕も極細から太いもの、ストレートにベンド型、リップの角度面積厚みと、数千の条件変化を体験してきてようやく外さないデザインが出来るようになった。
考え方やコンセプトは様々あろうが、僕のデザインの仕方は、まず泳ぐボディーをデザインすることが基本だ。
メインフィールドが流速の速い河川であるから、抵抗となるリップは最小限の面積に留めたい。
その上で圧倒的なパフォーマンスを獲得するには、「泳ぎたがるボディー」を作って小さなリップでもレスポンスする様に設計することだ。
大きなリップさえ付ければ、ミノーなんてものはそこそこに動く。
しかし、ミノーには適度な抵抗感や操作を加えた時の瞬時のレスポンスの早さ等、道具としての使用感が重要な評価ファクターになるのは言うまでもない。
大きなリップで「泳ぎたがらないボディー」を無理矢理に動かすデザインのミノーは、快適に使用できるスイートスポットが非常に狭く、レスポンスも鈍重である場合が殆どだ。
流速や操作入力に対する許容レンジが広く、激流でも泳ぎ、尚かつレスポンスの早いミノー、そして何より最高に格好いいミノーを僕は追い続けているのだ。