ようこそゲスト様!会員の方はこちらからログインしてください。新規会員登録はこちらから。【300ポイント】プレゼント中!

HOME » BLOG - Sunset & Fishing 夕日好きのプロルアービルダー › ルアーメイキング › RX50RS 序章

BLOG - Sunset & Fishing 夕日好きのプロルアービルダー

RX50RS 序章

2015年2月12日

270212RX50RS.jpg

RX50RS 金型マスター

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

テールにかけて徐々に間隔が密になる不等ピッチの柳葉パターンは、レイチューンフルハンドメイドモデルと同様の表現の仕方だが、エラブタやボディー地肌に細かな凹凸を付けてトラウトやアユの鈍い光沢も表現しようと試みたのが、このマスターモデルである。
実際の成型品ではホログラムを貼ったり塗装が乗ったりするので、最終的なアピアランスは思惑通りとはいかなかった(汗)
しかし、ここまで金型を追い込むのがレイチューンスタイルとでも言いますか、最終的にはフルハンドメイドと同等のものをプラスチックで実現しようというのが目標なのだ。

たとえばリップとボディーの接合部。
大手メーカーでは、まずボディーのみの金型を作ってしまい、得られた成型品に後からリップを取り付けてテストをして、最後に金型を追加加工すると言う方法でミノーを作るらしい。
だからリップは比較的単純な形状にならざるを得ず、接合部がシャープエッジになっていて折れる原因になるから全体の厚みを稼いで強度を確保するという手法を取っている。

対して弊社製品は、リップはとりあえず経験に基づく勘で設定し、実際の性能試験はウッドマスターモデルでだいたいの当たりを付け、ABS削り出し切削モデルで最終確認を取ってから金型を起こす。
従って、ボディーとリップは最初から一体の設計であるから、薄肉リップをリブで補強したり、ボディーとはなだらかな曲線で接合することで応力の集中を避けて最大限の性能を確保している。
こういう細かなディテールに、レイチューンの本気を感じていただければ幸いと考えているのだ(笑)

今回投入するのはRX50RSとRX50MDSの2機種である。
ボディーの基本デザインを共用しながら、リップの形状サイズはもちろん、ラインアイ、フックアイの位置、内蔵ウエイトの場所も量も違う、全く別の目的を持ったモデルである。

RX50RS投入の真意は、タックルバランスの最適化にある。

ロッドの硬さ、リールの番手、ラインの太さ、様々な要素が絡み合い選ぶのに苦労してしまうものだが、「魚のサイズとパワーに合わせる」という、まぁ当たり前の考えだが、これが正解だと思う。
そこからいろんなものを逆算してゆくのが楽しい釣りの基本ではないかと考えている。

以前にも書いた事があるが、ミノーの設計は使用するフックサイズからの逆算だ。
トレブルの14が使いたければそれに合わせて設計する。
ボディーが出来てからフックを合わせるということは、微調整はあるにしても僕はあまりやらない。
当然、シングルフックを使うなら、ボディーはシングルフックの重量や水の抵抗に合わせた設計にすべきだ。
そして、そのフックサイズと言うファクターさえも、元はと言えば対象魚のサイズとパワーから導き出された答えに他ならない。

ヘビーミノーの台頭によってロッドもヘビー化の傾向にあるが、釣り味と言う点では面白みに欠ける。
ティップアクションのロッドでは、僕の嫌いなチョコチョコ釣りになってしまう(笑)
また、キャストが上手い人は皆、長年、1g台の超軽量ミノーを遠くへ正確に飛ばす訓練を重ねて来た人たちばかりだ。
だから、タックルのヘビー化には一理を認めつつも大筋として節度が必要と常々主張している。
特にビギナーは、難しいかも知れないが軽量ミノーで鍛錬される事を強くお勧めしたい。

モデレートアクションのウルトラライトパワーが渓流魚にはやはり最適だろうというのは、今更僕が言うまでもない事だが、やもすると見失われがちな基本である。
ミノーは、尺物を狙うならあまり細軸の針は使いたくないし、速い流れでも軽快に操作したいものである。
つまり、ウルトラライトで快適にキャスト出来、繊細なティップでも自在にアクションさせられるミノー、これがRX50RSのコンセプトなのだ。
フローティングなら2g中盤、シンキングなら3g中盤まで、これがキャストの快適さとミノーの性能を両立させ得るバランスポイントだと僕は考えている。
積極的な操作によってトラウトを惑わしヒットに持ち込むという、渓流ミノーイングの楽しみの本質を考えれば、シンキングなら3g台のミノーにもっと注目すべきなのだ。

おっと、機能的な事を語るとついついオタク口調になってしまった(笑)
次回はアクションについて書いてみます。

 

カテゴリー:ルアーメイキング