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2013年7月11日
おとといは久しぶりに丸一日単独釣行。
前夜、仕事を片づけるのに手間取って結局一睡も出来ぬまま高速に飛び乗り、途中、渓流へ繋がるインター出口に差し掛かるたびに何度もここで降りようかと迷ったが、当初の目的は遙か彼方の渓流だと意を強くして、カーステレオの音量をガンガンに上げてヨシダタクロウなどをガナリながらなんとか予定のインターまで乗り切ったが、さすがに一般道へ下りたとたんペースが下がって眠くなる。
ローソンの駐車場を拝借して15分ほど仮眠して復活。
午前の一発目から大物が釣れ、1時間半の昼寝を挟んで全体に好釣果に恵まれ、締めくくりにも惚れ惚れするような一発が出て、とにかく楽しい一日だった。
ここからは珍しく釣りのサイトらしいテクニカルな話し。
とても美しい渓流で、地元の人との楽しい会話や釣果にも恵まれて一昨日の釣りは大満足だったのだが、それ以上にルアービルダーとして心満たされたのは、自分の設計制作したルアー達のコンセプトや自分にしか分からないだろう微妙なセッティングが、釣りにどういう影響を及ぼすのかが完璧に検証できた釣りだった点である。
新機種もあり、もちろん現行機種や改良版もいろいろと持ち込んでテストを兼ねて釣りをするわけだが、今回の検証点は新しいコーティング材の強度、新機種の動き、改良製品の変化である。
新コーティングは完璧な性能。
弊社製品の耐久性を飛躍的に高めること間違いなし。
新機種も改良品も威力絶大で、人には教えたくないくらいだ(笑)
話しが逸れつつあるので元に戻してと...
近頃のハイブリッドカーに代表される国産車の多くを指して「燃費の奴隷」と表現するジャーナリストが多くいる。
世界中のあまたの車を乗りまくってきた彼らの偽らざる心境だろう。
単純に移動手段としての車ならそれで良いだろう。
しかし、自動車には操縦する楽しみという別の価値観が本来あったはずだ。
君は「釣果の奴隷」になってはいまいか?
もちろん良く走り、操縦して面白い上に燃費が良いに越したことはない。
ルアーも釣れるに越したことはないが、僕らがやっているのは単なる移動手段としてのモータリゼーションのように、魚を釣るためのルアーフィッシングでは無いはずだ。
釣果を求めるなら、他にもっと効率の良い方法はいくらだってあるし、それらのやり方の中にだってかけがえのない楽しみはある。
僕がミノービルダーとして再確認したのは、僕らプロフェッショナルビルダーが目指すべきものは、釣果などでは決してなく、操縦する楽しみや、まだ誰も知らない新たな価値観の提案であるはずである、ということである。
既製のものには無い、圧倒的な存在感やパフォーマンスこそが、カロッツェリアの存在意義であるのと同様、僕らの存在価値は、高いクォリティーと優れた操縦感覚に他ならない。
釣果は僕のおとといの釣行が物語るように、パフォーマンスの結果として付随してくるものだ。
仕事の分野を問わず、目指すべき方向性によってアウトプットは必然的に違ってくるものである...などと、まぁ偉そうに言いつつ、帰りの車で自分を戒めたわけだな。
それにしても年齢にはかなわない、疲労感がハンパ無い二日後の夕刻ですな(汗)