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2014年4月21日
OLYMPUS TG-2
今週は珍しく釣り三昧だ。
御歳83歳の会長が空海生誕1200年祭に合わせ、周囲の人々の安全祈願と自らのチャレンジに思い立ったという四国お遍路を、少しでもサポート出来ればと思っていたところ、ふたを開けてみれば一人でどんどこ巡礼を進めてこちらが追いつけない。
「気になさらずにお仕事してて下さい」と時折連絡が入るが、そのたびに進捗状況に驚く始末だ。
最後に予定してた釣りだけは、しっかり楽しんでもらおうと同行させて頂いた。
超渇水ながら何故かアマゴの活性はすこぶる高く「管理釣り場のようですね」と次々とヒットさせる様子を後方で拝見して、安堵すると共に、やはりその若さには心底驚かされた。
宿で遅くまでいろんな話を伺ううちに、会長の過ごしてきた時間と僕の生きている時間が同じ尺度であることが信じられなくなってきた。
時は皆に平等であるはずなのに、会長の人生の密度の高さと言ったら、常人の数倍に匹敵するのではないかと感じた。
しかも83歳で現役バリバリで、仕事に遊びに邁進する日々を送っているのだから、きっと僕の30倍くらいの人生経験をお持ちなのだろうと思われる。
きらびやかなエピソードを楽しく拝聴しながら、自分の人生のなんと希薄なことだろうと、後悔とも懺悔とも言えないような悲しい気持ちが湧いてきたものだ。
せめて少しはペースをあげて、日々を暮らしたいと思った。
それから、遅ればせながら渓流のベイトキャスティングデビューを果たしました。
手返しの良さがスピニングを上回るのは当然のメリットですが、やはり重いルアー、具体的には4g以上のルアーが、快適に使う必須要件になると感じました。(もちろん更に軽量でも投げられますが気を抜くとヤバイです)
今回使ったタックルは、天龍のプロトタイプロッドとSHIMANOのアルデバランフィネス用ですが、どちらも良くできていて重いルアーを使っている限り快適でした。
キャスト時にルアーが水面を叩いて失速したり、近距離で中途半端なキャストになってしまってサミングのタイミングと加減を間違うとどうしてもバックラッシュは避けられないので、バックラッシュからの復帰手順を知っていないと、やはりストレスが溜まるでしょうね。
肝はやはりシビアなブレーキセッティングと、キャスティングの最終番でラインを少し送り込む動作をすることかな?と、そんな印象です。
ただ、僕のスタイルは軽量ミノーがメインの釣りであること、フリップではなくフルキャストのバックハンドを多用するので、その2点で特にマッチングが悪いなぁと思いました。
それから手首の角度とハンドルの位置関係から、いつもやってるジャーキングがやりにくく、どうしても小さく上に弾くような一本調子のロッド操作に陥りがちでした。
スピニングはグリップを上から握り込むように持つので、ハンドルとの相対角度は90度程度ですが、ベイトの場合、リールボディーを横から包むようにパーミングしますから、ハンドルと180度開いた格好でホールドします。
ですから上方向の操作はどうしても手首をひねるような操作をしてしまいがちです。
別にリールを上にして構える必要はまったくなくて、ガイドが横を向いていようとかまわないんですが、右手でロッドではなくリールを握っているので手首に力が入ってしまうのと、なんていうか心理的にそうなってしまうところに、操作の自由度を奪われたような感覚を覚えるのでしょう。
かなり慣れが必要ですね。
2014年2月 7日
近頃、近所の野池で釣ってるアングラーの手元から「キーーン」って、どこから音出てんの?みたいな高周波音が聞こえることは知っていたけど、調べれば最近のベイトリールの進化はすさまじく、自重は150g近辺まで落ち、スプールの回転は2万回転を超えるというじゃないか...
一昔前、渓流でベイトリールが使えないかと試していた頃の感じでは、特に2g前後のフローティングミノー前提なら全く使い物にならねー、と言うのが偽らざる感想だった。
だけど、まだそれは面白そうという域を出ていなくて、実際に買ってまでやってみようと言うところまでは盛り上がらないんだなぁ。
ちょっと動画を見た感じじゃ、アキュラシーは「スピニングの俺だってあのくらいは楽勝だぜ」って感じだし、ベイトの初速がMAX160km/hてのは信じるとしても、スピニングが60km/hてのは、そうかなぁ?と思うし。
あとね、T3とかアルデバランとかも悪くはないけどさ、俺たちオッサンはやっぱりアンバサダースタイルでやりたいんだよね。
あーそうだ、タイトルから逸脱したからここらで戻すと、結局はルアーフィッシングはキャスティングゲームなんだよ。
2014年2月 3日
「ミノーで釣りをする」ということにこだわってやってきた僕であるが、決して他の釣り方を否定する気持ちはないんだなぁ。
時にはゴムのルアーも金属のルアーも使って、今も楽しく釣りをしている。
だけど、ある特定の魚種やシチュエーションによっては絶対にこの釣り方が楽しいよ、ってのはある。
盛期の渓流においては、僕は圧倒的にミノーイングが面白いと思うのだ。
水底からジェット機の様に飛んできて、ガツンとミノーを引ったくって行く様を目の当たりにしたり、ごうごうと流れる瀬の流心で高活性のトラウトを掛けてローリングと突っ込みをかわしてやりとりするのは何とも言えない興奮を伴う。
反面、極端な低水温や高水温でヘロヘロの渓魚のやる気のない反応を見ていると、こちらもあまりやる気が起こらない。
運悪く、そういう状況に当たってしまった場合には、僕ならミノーじゃなくスプーンやメタルジグを使う。
ミノーが他のルアーに対して圧倒的に優れているのはコントロール性だ。
小さくちょこちょこ、大きくダートと、人間の意志を最もダイレクトに反映させられるのは、バルサ製高性能ミノーをおいて他には無い。
単に釣る事が目的ならばミノーより効率の良い釣り方は他にもある。
ミノーを使うと言うことは、自分がルアーを操作した結果、魚がヒットしたという実感を得る為だと言い換えても良いはずだ。
CVTのヴィッツやマーチのファミリーカーで峠を攻めたところで、大アンダーステアに終始してコントロールできる範囲は10のうち1か2だ。
同じ車とはいえ、そもそもそういう目的では作られていないから仕方ない。
マニュアルミッションやDSGの足回りのしっかりしたスポーツカーの存在意義はまさにそのコントロールのレンジの広さにある。
ギアを巧みに操って駆動力を微妙に加減し、乗り心地という点ではお世辞にも良いとは言えない硬めのサスが、タイヤがスライドを初めてもまだコントロールの余地を残す。
渓流のミノーイングとは、例えて言えばレーシングスポーツ。
人を何人快適に乗せられる、みたいな、イージーさや釣果をうんぬんする釣りでは無いと思っている。
激流の中でもトウィッチをかけるマージンがある。
ファミリーカーじゃ足を踏み入れることができない領域。
そういう釣りだと僕は思っているのだ。
僕はいろんな釣りをやるけども、それぞれの釣りが一番楽しめるルアーを作りたいといつも考えている。
2014年1月30日
いやはや、年末年始は毎年忙しいとは言え、今年ほどバタバタした年もない。
50歳を過ぎてまさか、連続不眠75時間の自己記録を打ち立てるとは夢にも思わなかった(笑)
1月がはや過ぎ去ろうとする今日になって、いろいろと更新する心の余裕が出来た。
今年こそはと祈念しながら、叶わぬ現実に少々辟易としているけれど、例によって今年も新製品ラッシュで攻めて参る所存でございます。
釣りに出かける頻度は少なくなった反面、単調な仕事のさなかに閃きを得る事も多く、まだまだ枯渇はしていないなと安心しております。
ストリームアーマーシリーズの拡充はもちろん、今までにないジャンルのミノー、ソルトウォータールアーも密かに進行中です。
本年もどうぞよろしくお付き合い下さい。
連絡事項
本年より、徳島県徳島市のプロショップ「ワイルドフィッシュ」さんと、久しぶりにお取引を再開させて頂くこととなりました。
僕がプロとして初めて商品を取り扱って頂いたショップさんであり、そこで得た友人、フィッシングスキル、いろんな知識が、現在の僕の代え難い礎となっています。
また一緒に四国に再デビューすることとなり、ちょっと面はゆい点もございますが、ふたたび四国のフィッシングシーンを盛り上げてゆけたら幸いと考えております。
2013年10月24日
今年の渓流シーズンも終わったなぁ...
と、淋しがっておられる諸兄には申し訳ないが、わたくし、既に次の釣りのことで頭はいっぱいでございます(笑)
やはり今年も片手程度の回数しか渓流釣りには行けず、そんな愚痴をこぼすと「開発やテストはどうされてるんですか?」と心配して下さる方もおられますが、心配ご無用(笑)
僕は何でも屋のマルチアングラーなので、ルアーのアイディアが浮かぶのも、そのカテゴリー以外の釣りをやっている時の方が実は多いくらいで、検証もほとんど他のフィールドで事足りているのです。
渓流ミノーイングと青物釣り
ヒラスズキ釣りとメバル釣り
一見あんまり関係ないように思われるでしょう?
でもこれらは、僕の中では「完全に一致」なんですね(笑)
ジギングやっててミノーのアイディアが閃いたり、ワームでメバル釣っててヒラスズキミノーのアクションが浮かぶことは良くあることです。
同様に、メッキアジが好きなルアーの動かし方が渓流でも有効だったり、バス釣りの「動かさない」テクニックだって渓流に使えます。
この様に、釣りのメソッドさえも色んな釣りから縦横にヒントを得ることが出来ます。
だから、釣りが上手になりたければ、様々な釣りにチャレンジすることが近道であると僕は思います。
僕の仕事、ルアービルディングという分野に限って言えば、マルチアングラーであることは必須の要件として求められるのではないでしょうか?
ルアーを選ぶ時、その設計者やビルダーに尋ねる機会がもしあるならば、釣りの経験を尋ねてみると良いと思います。
恐らくパフォーマンスとフィッシングスキルは比例関係にあると思われます。
ルアーの外観は、また違った感性やスキルが必要ですけどね(笑)