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BLOG - Sunset & Fishing 夕日好きのプロルアービルダー

TS高松の展示物1

2013年8月30日

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20年前のHOT SHOT (上州屋 camp bell 仕様)テニスステーション高松にて展示中

 

 自分の作品ばかり見ていると、案外それはそれで良いと思えてしまうから、僕は時々HOT SHOTを取り出して眺めることにしている。
そうすると、自分がいかに低レベルな製品で満足しているのか身につまされる。
これから時々、展示物を紹介することで自分のレベル向上につなげようと考えている。

 

今日のHOT SHOTは20年以上前にHOT SHOT松本さんが、上州屋の系列店キャンベルにOEMで制作卸していた作品だ。
約12cmのボディーは、ワカサギ系の小魚をイミテートしたものだと思われる。
まず、1枚目の写真では、アルミ板に自分でケガいたスケールを利用した鱗目に注目していただきたい。
一方方向だけの単線部分と、クロスした菱形模様が側線付近を境にしてシームレスに繋がってゆく。
台所であたりまえに使うアルミホイルにこれだけ美しく転写するだけでも、素人やちょっと囓った程度のビルダーには到底真似はできないだろう。
魚種により、サイズにより、様々な自作スケールを用意して、魚の持つ質感を忠実に再現しようとする試みには心底頭が下がる思いだ。
単純に魚皮を貼ったり、アワビシートを貼ったりして逃げることなく、常に自分の技術の粋を結集して真っ向勝負だ。
じっと眺めていても惚れ惚れするほど美しい。

 

次は顔まわり。
後年の作品に比べれば、表現の方法が稚拙な部分があるけども、そこには松本さんの恐ろしいほどの執念が隠されているのだ。
顔のアルミ部分を見て欲しい。
アゴ下の部分、エラの蛇腹の部分、そしてほっぺたの部分と、3ピースにして部分的に重ね貼りすることによって立体感と精巧さを出そうと試みている。
また上唇には半透明の樹脂を立体に造形したものを貼り付けて、文字通り立体的に盛っているばかりか、口を少しだけ開いているかのように、ノーズ先端部分はセルロース層に削り込みを入れている。
目玉は金の縁取りが出来るようにシルバーのシートの上にゴールドのシートを重ねて、適度な粘度に調整した黒塗料が自ら回り込んで、表面張力で縁だけが残る最適量をポッティングするのだ。

 

最後は極めつけ、伝家の宝刀、エラの赤いスリットだ。
ここは赤く塗れば良いというもんじゃない、と言うのが松本さんの口癖だった。
後方から覗き込んで初めて、エラは赤いと確認できるのだと。
真横から見てエラが赤く見えている魚なんていないのだから。
事実、HOT SHOTのエラは、後方はバルサの木地が見えていて、前方だけが少し赤く見えるように表現してある。
おまけにこのモデルに於いては、その赤いエラの繊維まで、一本一本筆で手書きしてあるのだから恐れ入る。
デジカメで上手く撮れないのが残念だが、機会を見てまた紹介しよう。

 

まだまだ見るべきところはたくさんあるモデルだけど、BLOGの画像制限でこれ以上は次の機会に譲るとしよう。
もう時効だから言うが、この恐るべきミノーを、松本さんは3千円から4千円で卸していた。
販売店で桐箱をセットされて1万円代後半で売られていたのをご存じの方もおられるだろう。
なんともやりきれない話しだ。

 

釣りに行きたい

2013年8月20日

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OLYMPUS TG-2

 

 毎日、仕事と野暮用ばかりで釣りに行けない。
釣りが好きでこの商売をはじめたのに...というぼやきも、今やお約束となってしまった。
年平均3度がここ数年の釣行回数だ。

 

行こうにも行けず、そのうえ、いつもなら毎日夕立がある山沿いの地域でさえ何週間も雨が降らない悪条件だから、なおさら行く気にもならず、ただただ高水温で渓魚が死滅しないことを願うばかりだ。

 

だけど、条件の良いところを見計らって釣りに出かけるからだろうが、ここ最近釣果には恵まれている。
去年は大物こそ釣れなかったが、毎回50匹を上回る魚が相手をしてくれて、ひとり渓流で幸福に浸ったものだ。
今年から渓流釣りを始める友人を案内した今年最初の釣りは、自分の釣果がどうこうというより、きちんと釣ってもらえたことが嬉しかった。
そして、「鱒の森」の記事のために釣行した7月はじめの高知の渓では、数もたくさん釣れたが、なにより尺オーバーのアマゴが4匹も釣れて、しかも1匹は35cmを超えていて、たいへん想い出深い釣りとなった。
ヤマメと違い大型化しにくいアマゴは、やはり尺物がひとつの憧れであり、本流アマゴやサツキマスを除いては35cm超えの渓流域アマゴは生涯4匹目だったからとても嬉しかった。

 

釣果は二の次だと、最近はロケーション優先で川を選んでいるが、選びに選んだお気に入りの美しい川で望外の釣果に恵まれた時の幸福感は、自分だけの胸にはとても納まりきらないほど沸々と心に浸潤してゆく。
今日はその感動を思い出しながら、写真のお裾分け。
尺物4匹のうち1匹は撮影前に逃げられたので3匹だけ、釣れた順番に。

 

●いきなり2つ目の瀬でストリームアーマー58を追って追って最後に食った32cm。
●枝支流へ入り、正午の崩れた堰堤下、SA50を魚雷のように食い上げた痩せ気味32cm。
●夕まづめ、大きな三日月プールでSA58のハードトゥイッチに来た35cmオーバー。

 

雨が降ったらまた釣りに行こう。
皆さんも良い釣りを!
ps.
サイトも久しぶりに更新しました。

 

https://www.muse.dti.ne.jp/raytune/

 

世界初(かなー?)

2013年8月15日

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本日から販売。ファクトリーアウトレットもあるよ

 

 ワイルドフィッシュ高松店、竿菊釣具店なきあと、長らく地元には不義理をしたままで、いつかはなんとかせないかんなと思いつつも生産量の絶対数が圧倒的に足りず、お付き合い頂いているショップさんへの納品分さえなかなか確保できない状態では、このサイトのネットショップはおろか、新規に取扱店を増やすことなど考えることが出来なかったというのが、近畿、中国、四国地区で販売店が無い状況を解消できない要因です。

 

おかげさまで引き合いは増える一方ではあるのだけど、野良仕事ありーの、自治会長(4年目、春に再選されたのでもう1年半任期あり)のあれやこれやがありで、生産量は伸びるどころか減少傾向だ。

 

そんな状況と、息子のテニスショップ開業が重なったのは、なにか一つのきっかけだと思ったんだな(笑)
テニス好きにも釣り好きはいるし、釣りにしか興味がなくてもショップに足を運んでくれる人が増えるとなんだか嬉しいし。
あるテニスコーチに「どう?」って聞いたところ「ぜひやりましょう!」というお返事(笑)
ここに、世界初(たぶんね)「ハンドメイドルアーも売ってるテニスショップ」が誕生したわけであります!

 

商売とは差別化である、ってのは定石であるわけですけど、こんな差別化はちょっとないでしょう?(笑)
近畿、中四国で唯一、レイチューンの現物を手にとってお買い求め頂けます。
既存の取扱店さんへ納品した後の余り物ばかりなので、数はほんのちょっとしかないんですけどね。
でも時々、この世に1本しかないというようなレアものもあるってところがオフィシャルファクトリーショップの強みですな。
それからショーケースの中にはレイチューン商品以外にも、僕のお恥ずかしい過去作品の数々、そしてホットショットの現物20本ほども展示中です。
興味のある方は是非寄ってやって下さい。
しかし、店長は釣りには疎いので(すいません)あまり突っ込んだ質問は無しということで...
まぁ、気軽に電話で聞いてくれればすぐにお応えできますし、僕も定期的に顔を出すことも検討中。
ではでは、そんなことでよろしくお願いします。

 

リップ付け

2013年8月10日

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PHASE 70mm type4 S(8.4g)

 

 僕は作業上、できるだけ治具は使わない。
インナーボディーにワイヤーをセットする時に、シリコン型に合わせて位置調整する時と、リップをカットする時に自作ガイドを使う以外は、ボディーをナイフやペーパーで削る時もリップを付ける時もフリーハンドだ。
たとえばリップの溝を切る時、ボディーを治具にセットして作業した方が正確だと思われるだろうが、僕はそうは考えていない。
なぜならば、ハンドメイドで本当の意味で均質なものを作ろうとすれば、僅かな個体差を微妙な位置合わせで吸収しなければならないからだ。
それに、究極的に作業効率を高めようとすれば、いちいち治具にセットする時間が無駄だ。
電動ハンドルーターにダイヤモンドカッターをセットし、個体差を考慮に入れながら目測で目標を決め、一気に切り込みを入れる。
この行程だけなら一個につき10秒はかからない。
50本のミノーに溝を切り、リップを装着するのがだいたい3時間だ。

 

松本師匠が言っていた「治具を使うといつまで経っても治具に頼る」という言葉を教訓にして、僕も治具を使うより正確で早い「手」を持てるように、ちょっと頑なに治具を使わないでやっている(笑)
僕にとってそれが「職人」である証だからだ。

 

平成25年8月8日の夕日

2013年8月 8日

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pm:6.45

 

 いろんなことにかまけている間に、まるでチャプターをすっ飛ばしたかのように季節が進んでいてびっくりだ(笑)
日没時間が1時間ほども早くなっている。

 

今年は栗の受粉期に気候がよかったせいか、卵大まで育ったイガの数がめちゃくちゃ多い。
イガが多いと実のサイズは小さくなるから、あまり喜ぶべき事じゃないな。
でもこの暑さで何パーセントかは落果してしまうだろうな。

 

もうちょっと涼しくなったら、その頃には五十肩も癒えているだろからジョギングも再開して、少しでも体力の衰えを先延ばしにしようとあがくつもりだけど、残された時間だけは延ばしようがないから人生の選択肢もより取りみどりとはいかない。
慎重に選んで、真っ直ぐに邁進して、大きな実りを手にしたいものだ。

 

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