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BLOG - Sunset & Fishing 夕日好きのプロルアービルダー

今日もギンギン

2014年2月 5日

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製作途中なので画像加工してます

 

写真の刃物達はバルサ材を削り出す時に使用するナイフである。
それぞれ用途が違い、この形に行き着くまでに10年を要し、その間何度か作り直した。
一本だけは友人からのもらいものだが、これは最初からジャストフィットで使いやすかった。
(それは恐らく彼が一流の料理人だからだろう)
だからナイフはこれ以外にも何本も持っている。
毎日毎日研いでいるうちにようやく満足の行く(それでもまだまだ甘いんだけど)研ぎが出来るようになるのに何年かかかった。
別に研ぎを極めるためにやっているのではない。
良い製品、均一な製品を作るために必要だから、やりたくはないけどやってきたのである。
職人の定義なんてのは曖昧なものだけど、僕のまわりの職人と呼ばれる人々は、みな僕よりも遙かに長い時間を掛けて、膨大な数をこなす事によってのみ会得できるものを身につけた人達だ。
数個程度作るのなら、どんなに手の込んだ物だって作れる。
職人と呼ばれる人は最高レベルの仕事を、世間話をしながら、まるでマシーンの様なスピードと正確さで次々とこなして行く。
普通なら耐えられない苦痛や、繰り返しや、退屈をも跳ね返す強靱な肉体と精神を、時間と引き替えに獲得しているのだ。
その結果、コストや時間の制約の中で求められる最上の結果を、いとも簡単に叩き出す能力を身につけた人を職人と言う。
そこに到達する道程を理解する洞察力が、この国から失われつつあるのはなんとも悲しい事だ。
ルアーメイキングは果たして職人へ通じる道なのか?
そんなことはどうだっていいじゃないか。
ちょいかじりの趣味人ばかりがウヨウヨ跋扈している世の中で、僕は僕が尊敬する職人と呼ばれる友人達と同じものを会得するのだ...と念じる。
すくなくとも僕は、職人じゃなきゃ生み出せない物がこの世にはあることを知っているから。

 

ミノーイング

2014年2月 3日

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ミノーケースより

 

「ミノーで釣りをする」ということにこだわってやってきた僕であるが、決して他の釣り方を否定する気持ちはないんだなぁ。
時にはゴムのルアーも金属のルアーも使って、今も楽しく釣りをしている。
だけど、ある特定の魚種やシチュエーションによっては絶対にこの釣り方が楽しいよ、ってのはある。
盛期の渓流においては、僕は圧倒的にミノーイングが面白いと思うのだ。
水底からジェット機の様に飛んできて、ガツンとミノーを引ったくって行く様を目の当たりにしたり、ごうごうと流れる瀬の流心で高活性のトラウトを掛けてローリングと突っ込みをかわしてやりとりするのは何とも言えない興奮を伴う。
反面、極端な低水温や高水温でヘロヘロの渓魚のやる気のない反応を見ていると、こちらもあまりやる気が起こらない。
運悪く、そういう状況に当たってしまった場合には、僕ならミノーじゃなくスプーンやメタルジグを使う。

 

ミノーが他のルアーに対して圧倒的に優れているのはコントロール性だ。
小さくちょこちょこ、大きくダートと、人間の意志を最もダイレクトに反映させられるのは、バルサ製高性能ミノーをおいて他には無い。
単に釣る事が目的ならばミノーより効率の良い釣り方は他にもある。
ミノーを使うと言うことは、自分がルアーを操作した結果、魚がヒットしたという実感を得る為だと言い換えても良いはずだ。
CVTのヴィッツやマーチのファミリーカーで峠を攻めたところで、大アンダーステアに終始してコントロールできる範囲は10のうち1か2だ。
同じ車とはいえ、そもそもそういう目的では作られていないから仕方ない。
マニュアルミッションやDSGの足回りのしっかりしたスポーツカーの存在意義はまさにそのコントロールのレンジの広さにある。
ギアを巧みに操って駆動力を微妙に加減し、乗り心地という点ではお世辞にも良いとは言えない硬めのサスが、タイヤがスライドを初めてもまだコントロールの余地を残す。
渓流のミノーイングとは、例えて言えばレーシングスポーツ。
人を何人快適に乗せられる、みたいな、イージーさや釣果をうんぬんする釣りでは無いと思っている。
激流の中でもトウィッチをかけるマージンがある。
ファミリーカーじゃ足を踏み入れることができない領域。
そういう釣りだと僕は思っているのだ。
僕はいろんな釣りをやるけども、それぞれの釣りが一番楽しめるルアーを作りたいといつも考えている。

 

始動(やっとかい!)

2014年1月30日

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STREAM ARMOR50S color:RED TROUT

 

いやはや、年末年始は毎年忙しいとは言え、今年ほどバタバタした年もない。
50歳を過ぎてまさか、連続不眠75時間の自己記録を打ち立てるとは夢にも思わなかった(笑)
1月がはや過ぎ去ろうとする今日になって、いろいろと更新する心の余裕が出来た。
今年こそはと祈念しながら、叶わぬ現実に少々辟易としているけれど、例によって今年も新製品ラッシュで攻めて参る所存でございます。
釣りに出かける頻度は少なくなった反面、単調な仕事のさなかに閃きを得る事も多く、まだまだ枯渇はしていないなと安心しております。
ストリームアーマーシリーズの拡充はもちろん、今までにないジャンルのミノー、ソルトウォータールアーも密かに進行中です。
本年もどうぞよろしくお付き合い下さい。
連絡事項
本年より、徳島県徳島市のプロショップ「ワイルドフィッシュ」さんと、久しぶりにお取引を再開させて頂くこととなりました。
僕がプロとして初めて商品を取り扱って頂いたショップさんであり、そこで得た友人、フィッシングスキル、いろんな知識が、現在の僕の代え難い礎となっています。
また一緒に四国に再デビューすることとなり、ちょっと面はゆい点もございますが、ふたたび四国のフィッシングシーンを盛り上げてゆけたら幸いと考えております。

 

https://www.wildfish.co.jp/

 

譲れないところ

2013年11月25日

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STREAM ARMOR 58 S(4.3g)shinking

 

ストリームアーマーシリーズは、弊社では量産型に属するモデルなので、手抜きと言えば聞こえは悪いが、フルハンドメイドと比較すれば、作業をだいぶ簡略化している。
しかし、それでも自分が作る以上、どうしても譲れないポイントというのが幾つかあるものだ。

 

 ○ 目玉は自ら発光しているかのように見えるよう、樹脂の盛りとトップコーティングを調整する。
 ○ 背中はアピール系ソリッドカラー以外(リアル系)は、必ずマスキングを施す。
 ○ 塗料の粒状感が出ないよう、塗料の調整は極薄くして発色は回数で稼ぎ、透明感を出す。

 

これだけは譲れないのだ。
まぁ、他はちょっと手抜きしてますけどね(汗)
ただし、簡略化モデルといえども性能だけは妥協しない。
いつもトップパフォーマンスを狙っている(笑)

 

STREAM ARMOR 58S

2013年11月13日

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STREAM ARMOR 58S sinking(4.3g) OLYMPUS E-M1 12-40mmPRO

 

前号「鱒の森」でフィーチャーしていただいて、すぐに在庫払底してしまっていたストリームアーマー58Sがやっと出来ました。
今週から順次リリースして参りますが、いつもどおり数に限りがありますのでお早めに入手して下さい。

 

あらためてこのミノーのコンセプトなどをかいつまんで書いてみます。
このくだりは何度か記事にも書いたと思いますが、起源は僕の大好きなヒラスズキ釣りとメッキアジ釣りのヒットシーンにあります。
海のルアーフィッシングでは、飛距離は絶対に欠かせない要素のひとつですが、僕のやっているウッド製品では比重や内部構造の制限から思うように飛距離が稼げません。
これをクリアーする手っ取り早い方法がリップのない形状にして空気抵抗を減らす、すなはちリップレスミノーの形態にすることです。
実際やってみると飛距離はまぁまぁ合格点、それよりも驚いたのはリップ付きミノーにも劣らない泳ぎの良さでした。
しかも力点支点の関係からなのか、トゥイッチ等の操作に対するレスポンスが非常に早い。
何匹もヒラスズキをヒットさせるうち、これを渓流サイズにダウンサイジングしたら...と、当然のごとく(笑)発想したわけです。

 

オフシーズンだったので最初の小さなリップレスミノーのテストはメッキアジ釣りでした。
想像以上に良く飛んで良く泳ぎ、おまけにめちゃめちゃ釣れる。
他のミノーとの比較でも、リップレスを選食するかのように圧倒的な釣果の差が出たのでした。
翌シーズン、次世代モデルを渓流に持ち込むと、やはり刮目すべき性能を発揮し、渓流ルアーフィッシングの組み立てを覆す能力のあるミノーだと確信しました。
以来15年、何度も世代交代を重ね、デザインも洗練度を増して到達したのが現行のストリームアーマーシリーズなのです。

 

飛行姿勢がまったく乱れない、ライナーで打ち抜けるジグミノー並みの飛距離。
低速からすぐに立ち上がり、2500番リールの最高速でも破綻しない遊泳能力。
着水直後のワンジャーク目から即座に反応するレスポンスと、小さい入力から最大ジャークまで追従するダート性能。
不得意があるとすれば、その場でチョコチョコ動かすようなワームフィッシング的な操作におけるコントロール性(これにはフェイズタイプ4がある)だけでしょう。
ST-36#12番フックが標準なので、本流のサツキマス釣りの切り札として使っている人も多くいます。
このミノーを前提にすれば、ロッド、ライン等の設計も、よりパワーのあるレギュラーテーパーショートロッドに変えることも可能でしょう(弊社REVOLVER532 BORONはストリームアーマー前提の設計です)
あまりの飛距離と操作レンジの広さから、ピンポイントアキュラシーとミノーの反応に合わせた操作が可能なエキスパートに評価が高く、ビギナーにはやや性能を引き出し切れない場面があるとも言えますが、レイチューンが生み出した渓流のフォーミュラマシンとも呼ぶべきストリームアーマーシリーズ、自信を持ってお勧めします。

 

尚、全長は58mmですがカップの突出部分を含んだ数値ですので、ボリュームは50mmミノーと同等です。
従前のストリームアーマーⅢ50Sも、早くも新型となって来月リリースです。
こいつも凄いです。楽しみにしていて下さい。

 

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