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BLOG - Sunset & Fishing 夕日好きのプロルアービルダー

RXシリーズ

2015年4月 9日

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手前 RX50RS、奥 RX50MDS   OLYMPUS E-M1  60mm /2.8 macro(F8 -1.7EV)
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告知から数ヶ月が経ち、いつになるの?という問い合わせを多数頂いておりましたRXシリーズですが、ようやく製品が上がって来はじめました。
来はじめたと表現したのは、まだ発注数の一部が届いただけで、出荷できるにはあとちょっとだけかかるからです。
順調なら4月下旬には店頭に並べられるようなスケジュールで進行中です。

ハンドメイドブランドとしてご支持いただいている弊社が、プラスチック製品を作るにあたって絶対守らなくてはならないことはなにか。
新製品を作るときにいつも意識していることは、「かっこ良さと機能の両立」です。
それがなくなってしまうとアイデンティティーもクソもないので、毎度毎度、産みの苦しみを味わう訳です(笑)

まずは金型を起こす時に、いわゆるCADデータっぽさを残さず、できるだけマスターモデルのハンドメイド風味を残すようデザインする訳ですが、これがまぁ大変。
金型デザイナーさんを泣かせながらデータを作り込んで行きます。
動きについては、ハンドメイドの経験を活かすことができるので、比較的苦労がないというか、最初に線を引いたところからあまり修正せずに製品まで持って行くことができています。
塗装は自分でやるなら簡単ですが、ハンドメイドに集中したいと思ってインジェクションを始めたわけだから、自分で塗ってちゃ本末転倒なので塗装ワーカーを指導することになります。

今回の製品はベトナムの日系最新鋭工場で作っています。
最新鋭といっても新しいというだけでスキルは全くありません(汗)
ですから、成形、組み立て、塗装と、すべての行程に深く関わる貴重な時間を過ごせました。
1から塗装を教えるのも初めてのことでしたが、どこか日本人にも似た生来の生真面目さを持つ若者達を指導するのは楽しい時間でした。
僕は弟子なんて抱える身分ではありませんが、なんだか若い弟子ができたような気さえします。
そして、我々の努力の結晶の第1段が、このRXシリーズです。

どこからどう見てもレイチューンの製品になったでしょ?(笑)
そして、使えばまさにミノーイングフリークのための製品であることがご理解いただけるはずです。
超アグレッシブ、ダイナミックなレイチューンスタイルのミノーイングが自然と身に付くよう設計しています。

圧倒的フィッシングプレジャーをお届けできるまであとわずか。
楽しみにお待ち下さい。

RX50RS 序章

2015年2月12日

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RX50RS 金型マスター

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テールにかけて徐々に間隔が密になる不等ピッチの柳葉パターンは、レイチューンフルハンドメイドモデルと同様の表現の仕方だが、エラブタやボディー地肌に細かな凹凸を付けてトラウトやアユの鈍い光沢も表現しようと試みたのが、このマスターモデルである。
実際の成型品ではホログラムを貼ったり塗装が乗ったりするので、最終的なアピアランスは思惑通りとはいかなかった(汗)
しかし、ここまで金型を追い込むのがレイチューンスタイルとでも言いますか、最終的にはフルハンドメイドと同等のものをプラスチックで実現しようというのが目標なのだ。

たとえばリップとボディーの接合部。
大手メーカーでは、まずボディーのみの金型を作ってしまい、得られた成型品に後からリップを取り付けてテストをして、最後に金型を追加加工すると言う方法でミノーを作るらしい。
だからリップは比較的単純な形状にならざるを得ず、接合部がシャープエッジになっていて折れる原因になるから全体の厚みを稼いで強度を確保するという手法を取っている。

対して弊社製品は、リップはとりあえず経験に基づく勘で設定し、実際の性能試験はウッドマスターモデルでだいたいの当たりを付け、ABS削り出し切削モデルで最終確認を取ってから金型を起こす。
従って、ボディーとリップは最初から一体の設計であるから、薄肉リップをリブで補強したり、ボディーとはなだらかな曲線で接合することで応力の集中を避けて最大限の性能を確保している。
こういう細かなディテールに、レイチューンの本気を感じていただければ幸いと考えているのだ(笑)

今回投入するのはRX50RSとRX50MDSの2機種である。
ボディーの基本デザインを共用しながら、リップの形状サイズはもちろん、ラインアイ、フックアイの位置、内蔵ウエイトの場所も量も違う、全く別の目的を持ったモデルである。

RX50RS投入の真意は、タックルバランスの最適化にある。

ロッドの硬さ、リールの番手、ラインの太さ、様々な要素が絡み合い選ぶのに苦労してしまうものだが、「魚のサイズとパワーに合わせる」という、まぁ当たり前の考えだが、これが正解だと思う。
そこからいろんなものを逆算してゆくのが楽しい釣りの基本ではないかと考えている。

以前にも書いた事があるが、ミノーの設計は使用するフックサイズからの逆算だ。
トレブルの14が使いたければそれに合わせて設計する。
ボディーが出来てからフックを合わせるということは、微調整はあるにしても僕はあまりやらない。
当然、シングルフックを使うなら、ボディーはシングルフックの重量や水の抵抗に合わせた設計にすべきだ。
そして、そのフックサイズと言うファクターさえも、元はと言えば対象魚のサイズとパワーから導き出された答えに他ならない。

ヘビーミノーの台頭によってロッドもヘビー化の傾向にあるが、釣り味と言う点では面白みに欠ける。
ティップアクションのロッドでは、僕の嫌いなチョコチョコ釣りになってしまう(笑)
また、キャストが上手い人は皆、長年、1g台の超軽量ミノーを遠くへ正確に飛ばす訓練を重ねて来た人たちばかりだ。
だから、タックルのヘビー化には一理を認めつつも大筋として節度が必要と常々主張している。
特にビギナーは、難しいかも知れないが軽量ミノーで鍛錬される事を強くお勧めしたい。

モデレートアクションのウルトラライトパワーが渓流魚にはやはり最適だろうというのは、今更僕が言うまでもない事だが、やもすると見失われがちな基本である。
ミノーは、尺物を狙うならあまり細軸の針は使いたくないし、速い流れでも軽快に操作したいものである。
つまり、ウルトラライトで快適にキャスト出来、繊細なティップでも自在にアクションさせられるミノー、これがRX50RSのコンセプトなのだ。
フローティングなら2g中盤、シンキングなら3g中盤まで、これがキャストの快適さとミノーの性能を両立させ得るバランスポイントだと僕は考えている。
積極的な操作によってトラウトを惑わしヒットに持ち込むという、渓流ミノーイングの楽しみの本質を考えれば、シンキングなら3g台のミノーにもっと注目すべきなのだ。

おっと、機能的な事を語るとついついオタク口調になってしまった(笑)
次回はアクションについて書いてみます。

 

TX50RSS改良バージョン詳細

2015年2月 8日

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2015 TX50RSS 設計図
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早くも改良版を投入する気合い満点の(笑)レイチューン2015年第1段のTX50RSS は、各部を大幅にブラッシュアップして完成度を高めました。
シンキングミノーの性能限界を突破する目的で設計したこのミノーは、4.5gというウエイトを達成しながら3g台前半の製品と同等か、あるいはそれらを上回る運動性能を獲得しています。
もはや一部のバルサ製品と互角と言って良いと自負しています。

それらを達成するために、これよりウエイトを足しても引いても成立しないこのボディー専用のディメンションを与え、強度との駆け引きをしながらギリギリの設計で煮詰めてテストも繰り返して来ましたが、多くの人の手に渡り、様々なシチュエーションで使われるようになったおかげで、余裕のある部分、もう少し強度が欲しい部分が見えてきました。

2015モデルでは、本来なら金型の大幅な設計変更を余儀なくされるワイヤーの強度アップを、コストを度外視して特注品を作って達成した後に、上記のリップ下側リブ補強の金型設計変更を行った上で強度テストを繰り返し(リブ強化は金型を掘り下げる方向なので比較的イージー)、性能をほとんど犠牲にせずプロダクトとしての完成度を大幅に向上させる事が出来ました。
これもひとえに皆様のご支持ご愛顧のおかげと感謝いたしております。

また、2015モデルではSA50RSにも同様のワイヤー補強を施し、両アイテムとも、ピンクヤマメとGヤマメをラインナップから落とし、新たにホロアユ、アマゴ、赤ヤマメ、アカキンの4色を加えた全10色のカラーバリエーションで、早ければ今週中にも発売します。

早期の水温が2℃程度の渓では、やはり低めのレンジでやや遅めのアピールが有効でしょう。
そんな解禁直後の条件下では、フォールが比較的早く、グイグイと深めのレンジをトレースして素早くフィーディングゾーンに到達し、流れに弾かれる事なくレンジをキープしたまま、小さなアクションでも極めてビビッドな操作感覚を得られるTX50RSSこそ、並のディープダイバーよりむしろ有効と考えています。

発売日が決まりましたらカラーバリエーションその他の詳細をお知らせ致しますので、今少しだけお待ち下さい。
このサイトをご覧下さっている方限定情報ですが、この後ニューモデルRXシリーズ投入ということもありTXとSAは数はそんなに作っていませんので、TX50RSS、あるいはSA50RSの新型が必要な方はお早めにお求め下さい。

次の更新では、ニューモデル2機種に込められたそれぞれのコンセプトを語りたいと思います(笑)

横浜フィッシングショー2015

2015年1月30日

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前から順に、RX50MDS  SA50RS  TX50RSS強化ボディーバージョン

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横浜と大阪のフィッシングショーは年に一度の大イベントなのですが、今までうだつの上がらないビルダー稼業一本槍だった僕にはまったく縁もゆかりもない世界でした。
しかし今年は問屋さんのご好意でブースの一角を割いてもらい、1メーカーとして細々とではありますが展示させて頂いております。

業界全体から見れば取るに足らない小さなコーナーではありますが、大メーカーも一目置くデザインと性能の商品群が密かに増殖中です。
相変わらず孤軍奮闘の弱小メーカーではありますが、インジェクション製品の基準を塗り替えるべく努力中ですので、フィッシングショーにお越しの際にはチラリと一瞥をくれてやって下さい。

昨年リリース致しましたTX50RSSとSA50RSは、おかげさまで思いも寄らぬほどのご支持をいただきまして大変感謝しております。
しかし、この2つのモデルは小手試し、序章に過ぎません。
2015年は更に一歩踏み込んだモデルを順次発売して参ります。

 

まずはRX50MDS(3.3g シンキング)とRX50RS(3.5gシンキング)を2月中にリリース致します。

ついにインジェクション化されたレイチューンの十八番であるミディアムダイバーがRX50MDSです。
バルサ製MDの能力をご存知の方には今更説明の必要もございませんが、ミディアムであるところの最大の利点は、ロッドの角度やリーリング操作によって、表層から1mプラスのレンジまで泳層を自由にコントロールできる上に、ノーマルリップのミノーと同様、軽い抵抗を感じ取りながら積極的なトゥイッチング操作が可能であるところです。

インジェクションでこれをやろうとすると、重心位置やボディー比重の関係でなかなかうまくバランスしないのですが、弊社自慢の超高比重タングステンウエイトと経験から導かれたボディー設計がこれを可能にしています。
すなはち、流芯をまたぐような場面でもしっかりと泳層をキープし、尚かつ積極的な操作を受容して、まさにここぞというターンの瞬間まで、ノーマルリップミノーより一枚下のレンジでルアーをアピールさせる事が可能です。
渓流ミノーの勢力地図を一気に塗り替えるポテンシャルを備えています。

RX50RSの解説は次回に譲るとして、TX50RSSとSA50RSのバージョンアップのお知らせです。
2015年モデルは、限界性能を探る為にギリギリの設計を施していたボディーを、より耐久性寄りに振ったモディファイを行いました。
写真でも少しお分かりいただけると思いますが、ほとんど性能低下することなく、リップ強度とワイヤー硬度を上げることに成功しましたので、より一層アグレッシブにお使いいただけるようになりました。
今後ともユーザーの声を反映し、より良い製品にする為にはコストが掛かろうと努力を惜しまない所存です。

また、今年はインジェクションのみならず、バルサ製品も新型を投入予定ですので楽しみにお待ち下さい。
尚、大阪フィッシングショーには上原が参る予定にしております。
ハンドメイドに関するご質問にもどんどんお答えしたいと思っています。
それではフィッシングショーで2015レイチューンをご覧下さい。
 

謹賀新年

2015年1月 2日

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CONTAX T2 & T3 にヴェルビア100F と  E-M1+Carl Zeiss Tessar45mm/2.8
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皆様、今年もよろしくお願いいたします。

冷蔵庫を開けると、卵を入れるポケットの下のトレイに小さな紙袋があって、中を確認すると未使用のフィルムが2本入っていた。
使用期限はとっくに過ぎてしまっているけど捨てるのはもったいなくて、久しぶりに銀塩カメラを防湿庫から取り出してフィルムチャージすることにした。
一眼レフも10台ばかりあるが、近頃は老眼でマニュアルフォーカスに全く自信がないので、大好きだったコンパクトカメラに詰める事にした。

経年変化を起こさないチタン外装の小さなボディーに、一眼レフのレンズをも凌駕する性能の単焦点レンズを配置する。
そして、時間という残酷なフィルターを透しても色あせない完璧なデザイン。
今見ても実に惚れ惚れするプロダクトだ。
そしてその外見やスペック以上に、ユーザーの予想を遥かに超えるアウトプットを叩き出せる事こそが銘機の銘機たる所以であろう。
妥協を排してとてつもない物を作り出そうという人間の意思が機械の中に宿った時、それはもはや道具の域を超えているのではあるまいか。
銘機と呼ばれるには、言葉で言い表せない得体の知れないオーラのようなものが必要なのだと僕は考えている。

去年、デビューした時から好きだったアウディ オールロードクワトロという車を中古で買ったのもそんな気持ちの延長だ。
SUVだクロスオーバーだと巷を賑わせている車達にはなぜだかシンパシーを感じない。
機能性が犠牲になっていたり、ヤワな四駆システムでお茶を濁していたり(中にはFFのモデルさえある)割り切りだといえば通りやすい言い訳に聞こえるが、思慮が足りないというのかとにかく中途半端に映ってしまう。
中型のワゴンボディーに車高調整機能のついたエアサスを搭載し、ツインターボエンジンのハイパワーをクワトロシステムで駆動する。
これほど理路整然としたクロスオーバービークルの最適解が他にあるだろうか?
そしてスムーズなルーフラインと絶妙な角度でカットされたカーゴドアが完璧なバランスを保つ美しいボディー。
この車を企画した人々の理想とセンスの高さに拍手を送りたい。
それが中古で軽自動車の価格で手に入るのだから買わずにはいられない(笑)
燃費がどうだとか、修理代がどうだと言い始めると話がつまんなくなるので、その分は満足感との引き換えだと僕は考えている。

そんな風に、何かのリスクと引き換えにしてでも選びたくなるプロダクツが、どんどん減っているように思う。
それは同時に道具の限界を超えた仕事が出来る「職人」が減っている事とシンクロしているのかも知れない。
昨今、世の中すべてが想像の範囲内なのだ。

スペックの限界を凌駕する領域が存在するという事を、少し前の人々は当たり前に知っていたんだと思う。
簡単な道具を駆使して親方の手から生み出される製品は、機械生産のものより遥かに機能的で美しかったと思う。
そういう世界を信じて物作りをしないと、この先、時代を超えてゆく銘機は生まれなくなるような気がする。

CONTAX T2は優雅でありながら時に撮影者も驚くような画像を映し出す。
オールロードクワトロは恐ろしくタフな上に極上の乗り心地でどんな道も走破し、アウトドアのシーンでとても絵になる。
これらのプロダクツに触れていると、自分が物作りに携わっている事が恥ずかしくなる。
理想とするプロダクツに辿り着く為にはまだまだとんでもなく遠い道のりが残されている事を、1本のフィルムが教えてくれたような元旦でした。


 

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